Case02 電承シリーズ「D-Karte」 で技術ノウハウを蓄積し、ナレッジに基づく生産体制を実現
ポーライト株式会社 様
粉末冶金法のプロフェッショナルとして、自動車・家電製品・OA機器など様々な分野の重要な部品を製造されているポーライト株式会社。
重要工程のひとつである粉末成形用の金型は自社で製作されており、高品質な部品製造を支えています。
一方、高まる顧客要求に応えるためには、金型部門の生産性向上が急務でした。 課題解決に向け、同社ではKMCの「ナレッジ電承」と「電子カルテシステム」を導入。KMCソリューションの導入により得られた様々な効果を、同社取締役品質統括部長の羽吹様にお伺いいたしました。
■導入の背景 プロジェクト開始前における当社の金型の生産能力は「約7,000パーツ/年」でした。 生産効率アップにより内製化率を高め、生産性50%アップとコストハーフ、つまり工場収益向上の実現が急務となっておりました。
解決に向け、まずは工程調査により金型製作全体に関する問題点を捉えた後、稼働率や不良率など個別の問題・課題を洗い出しました。 続いて、業務フローの中に埋もれていた無駄、そして個人が持つ暗黙知を形式知とするための方策を立案しました。具体的には、現場が主体となって不具合蓄積の仕組み構築とナレッジ可視化を、そしてマネジメントが主体となって部門横断の仕組みを構築するということです。これらを同時進行させました。本プロジェクトの推進にあたっては、KMCと共同でプロジェクトを立ち上げ進めてまいりました。■導入の効果 KMCの「ナレッジ電承」と「電子カルテシステム」の導入により、「設計」「金型加工」「製造」の各部門がそれぞれ情報を共有でき、不具合の蓄積とナレッジの可視化ができる仕組みが構築できました。
「ナレッジ電承」ではノウハウと規格を、「電子カルテシステム」では現場で発生した不具合情報をそれぞれ一元管理でき、その詳細な記録を残すことができます。その結果、これまでは担当者の中で埋もれていた知識とやり取りがシステム上に展開でき、「設計」「金型加工」「製造」に関わる全員が同じ情報を見ながら議論することができるようになりました。 不具合データの蓄積とナレッジ化が可能となったことで、問題の再発が減少。製造上の問題も金型設計へフィードバックできるようになりました。さらに、本プロジェクトによる標準化・システム化により、金型部門と製造部門が一体となって「なぜ壊れたのか」「どう直すのか」、発生した問題の原因究明と対策に取り組める文化へと変革していきました。部門を超え、生産改善につながる金型の改善活動が活性化したと考えております。■今後の展望 製品技術と金型技術は一体です。同時に継続的な進化を目指すことが製品のQCD向上、何よりも付加価値向上に不可欠です。
金型を作る側と使う側がお互いの気持ちを理解し合える文化をさらに熟成させ、品質向上に向けた取り組みを拡大させていきたいと考えております。
※本内容は、日本金型工業会 第3回オンライン金型技術セミナー(2021年10月4日)で講演された内容を一部抜粋して掲載しております。
詳細資料につきましては、こちらよりダウンロードいただけます。
商 号 ポーライト株式会社 所 在 地 埼玉県さいたま市北区日進町2-121 設 立 1952(昭和27)年11月 資 本 金 9,000万円 事業内容 粉末冶金技術による焼結含油軸受、焼結機械部品、MIM製品の製造